カオハガン島ボランティア2008

論文・コラム

動物病院を上手に利用するために

初めて仔犬・子猫を飼われる方へ

院長ブログ 雑事総論


当院は飼い主さんと共に考える獣医療を目指しております。

狂犬病予防法

狂犬病の発生の予防、その蔓延防止と撲滅を目的とするこの法律は、厚生労働省所轄です。旧法では犬のみを対象としていました。しかし、最近は、外国からの動物の輸入も増え、平成12年1月1日に法律第7条を改正して、検疫対象動物に犬の他、猫、あらいぐま、きつね、スカンクを加えました。尚、これら動物の輸出入、国外移動にも検疫を受ける義務があります。(「狂犬病予防法」第7条)

犬の所有者は、所在地の市町村長に犬の登録を申請(生涯1回)することとされています。登録されると「犬の鑑札」が公布され、飼い主は犬にその鑑札を付けておくことが義務づけられています。なお、犬が死亡したり、犬の所在地、所有者の住所・氏名の変更があった場合は、その旨の届出が必要です。(「狂犬病予防法」第4条)

加えて、毎年1回(4月?6月)、犬に狂犬病の予防注射を受けさせることとされています。注射を受けると、注射を打った獣医師から「注射済証」が交付されますので、これを市町村長に提示し「注射済票」の交付を受けなければなりません。飼い主は犬にその注射済票を付けておくことが義務づけられています。(「狂犬病予防法」第5条、「同法施行規則」第12条)

都道府県や指定都市には、当該職員の獣医師を狂犬病予防員として置き、万が一、狂犬病が発生した場合は、狂犬病にかかった犬等又はその疑いのある犬等を診断した獣医師又はその犬の所有者に対し保健所長への届出義務、獣医師又は所有者に対しその犬等の隔離義務が課せられており、国、地方公共団体より必要な指示が出されることとされております。また、知事や指定都市の市長は、狂犬病予防対策を講ずることを命令することもできます。(「狂犬病予防法」第3条、第8条?19条)

狂犬病予防法は、1950年8月26日に施行されました。当時の日本は狂犬病が発生していましたが、1956年に最終発症例が認められた以降は、発症例はありません。その最大の要因はイヌへのワクチン接種および検疫制度によると同時に、わが国が島国であるということでした。世界保健機関(WHO)によると、全世界で毎年3万5000〜5万人が狂犬病によって死亡しており、アジア、アフリカ等では狂犬病の犬から感染した患者が多く発生しています。世界のなかでは狂犬病が根絶された地域はオーストラリア、イギリス、台湾、ハワイ等と島国に限られていました。しかしながらイギリスでは1996 年にコウモリの狂犬病が見つかり、またユーロトンネルの開通でフランス等からの狂犬病の侵入がおそれられています。またオーストラリアのコウモリ(fruit bat)から狂犬病に類似したAustralian bat virus が分離され、そのウイルスによる患者が1996年に報告されました。こうしたウイルスによる狂犬病様疾患またコウモリによる狂犬病があらたに注目されてきています。

狂犬病は、犬のみが感染発症するものではなく、人を含めたすべての哺乳類に感染します。また、発症すると悲惨な神経症状を示した後、100%死亡する地球上で最も危険なウイルス感染症です。動物医療従事者として、現状を飼い主に啓蒙し、犬に年1回の狂犬病ワクチンの接種を徹底させることが必要です。

狂犬病予防法(抜粋)

(目的)

第1条  この法律は、狂犬病の発生を予防し、その蔓延を防止し、及びこれを撲滅することにより、公衆術生の向上及び公共の福祉の増進を図ることを目的とする。

(適用範囲)

第2条 この法律は、次に掲げる動物の狂犬病に限りこれを適用する。ただし、第2号に掲げる動物の狂犬病については、この法律の規定中第7条から第9条まで、第11条、第12条及び第14条の規定並びにこれらの規定に係る第4章及第5章の規定に限りこれを適用する。

1. 犬

2. 猫その他の動物(牛、馬、めん羊、山羊、豚、鶏及びあひる(次項において「牛等」という。)を除く。)であって、狂犬病を人に感染させるおそれが高いものとして政令で定めるもの

(狂犬病予防員)

第3条 都道府県知事は、当該都道府県の職員で獣医師であるもののうちから狂犬病予防員(以下「予防員」という。)を任命しなければならない。

2.予防員は、その事務に従事するときは、その身分を示す証票を携帯し、関係人の求めにより、これを呈示しなければならない。

(登録)

第4条 犬の所有者は、犬を取得した日(生後90日以内の犬を取得した場合にあっては、生後90日を経過した日)から30日以内に、厚生労働省令の定めるところにより、その犬の所在地を管轄する市長村長(特別区にあつては区長。以下同じ。)に犬の登録を申請しなければならない。ただし、この条の規定により登録を受けた犬については、この限りでない。

2.市長村長は、前項の登録の申請があったときは、原簿に登録し、その犬の所有者に犬の鑑札を交付しなければならない。

3.犬の所有者は、前項の鑑札をその犬に着けておかなけれげならない。

4.第1項及び第2項の規定により登録を受けた犬の所有者は、犬が死亡したとき又は犬の所在地その他厚生労働省令で定める事項を変更したときは、30日以内に、厚生労働省令の定めるところにより、その犬の所在地(犬の所在地を変更したときにあっては、その犬の新所在地)を管轄する市長村長に届け出なければならない。

5.第1項及び第2項の規定により登録を受けた犬について所有者の変更があったときは、新所有者は、30日以内に、厚生労働省令の定めるところにより、その犬の所在地を管轄する市町村長に届け出なければならない。

6.前各項に定めるもののほか、犬の登録及び鑑札の交付に関して必要な事項は、政令で定める。

(予防注射)

第5条 犬の所有者(所有者以外の者が管理する場合には、その者。以下同じ。)は、その犬について、厚生労働省令の定めるところにより、狂犬病の予防注射を毎年1回受けさせなければならない。

2.市町村長は、政令の定めるところにより、前項の予防注射を受けた犬の所有者に注射済票を交付しなければならない。

3.犬の所有者は、前項の注射済票をその犬に着けておかなければならない。

(輸出入検疫)

第7条 何人も、検疫を受けた犬等(犬又は第2条第1項第二号に掲げる動物をいう。以下同じ。)でなければ輸出し、又は輸入してはならない。

2.前項の検疫に関する事務は、農林水産大臣の所管とし、その検疫に関する 事項は、農林水産省令でこれを定める。

狂犬病予防法施行令(一部抜粋)

(法の規定の一部が適応される動物)

第1条 狂犬病予防法第2条第1項第二号の政令で定める動物は、猫、あらいぐま、きつね、及びスカンクとする。

狂犬病予防法施行規則(一部抜粋)

  

(予防注射の時期)

第11条 生後91日以上の犬(次項に規定する犬であつて、3月2日から6月30日までの間に所有されるに至つたものを除く。)の所有者は、法第5条第1項の規定により、その犬について、狂犬病の予防注射を4月1日から6月30日までの間に1回受けさせなければならない。ただし、3月2日以降において既に狂犬病の予防注射を受けた犬については、この限りでない。

2.生後91日以上の犬であつて、3月2日(1月1日から5月31日までの間にその犬を所有するに至つた場合においては、前年の3月2日)以降に狂犬病の予防注射を受けていないもの又は受けたかどうか明らかでないものを所有するに至つた者は、法第5条第1項の規定により、その犬について、その犬を所有するに至つた日から30日以内に狂犬病の予防注射を受けさせなければならない。

3.前2項の場合において、狂犬病の予防注射を受けさせなければならない犬を所有者以外の者が管理するときは、第1項中「所有される」とあるのは「管理される」と、「所有者」とあるのは「管理者」と、前項中「所有する」とあるのは「管理する」と、それぞれ読み替えるものとする。

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